2008年01月08日21時38分
歌手の浜崎あゆみさん(29)がファン向けの会員制ブログで「左耳は機能しておらず、治療の術(すべ)はないと診断された」と驚きの告白をした。病気を乗り越えて音楽活動を続けていく方針だが、「平成の歌姫」はどんな思いなのか。原因とされる「突発性内耳障害」とは、どんな病気なのか。
「紅白歌合戦」で熱唱する浜崎あゆみさん=昨年12月31日、東京・渋谷のNHKホールで
「実は去年、耳の検査をしてもらったのだけど、左耳はもう完全に機能しておらず、治療の術はないと診断されたんだ」
浜崎さんは4日、会員制のブログでそう告白した。続けて「それでもやっぱり、私はボーカリストであり続けたい。だから、残されたこの右耳がいけるところまで、限界まで、歌い続ける」と宣言した。
会見などは一切なかった。ブログにはファンからの書き込みが殺到。翌日さらに詳しくつづった。その文章と所属するレコード会社エイベックス・エンタテインメントの説明によると、診断は昨年12月ごろ受けた。結果を伝えた医師は「無念そうな申し訳なさそうな」目をしていた。「治す術はない、手遅れだ」と医師から言われて浜崎さんは頭の中が真っ白になったが、それでも陽気に笑ってみせたという。
左耳が聞こえにくくなり、突発性内耳障害と診断されたのは00年夏。治療を受け聴力はある程度回復したが、その後症状が進んだという。
同社は「まったく左耳が聞こえないわけではなく、日常生活にも音楽活動にも支障はない」と強調する。この大みそかにはNHK「紅白歌合戦」に出場した。番組を見た視聴者には音程がずれたと感じた人もいたが、同社は「歌唱に問題はない。受け取り方は人それぞれですから」と説明。4月からはデビュー10周年を記念した全国ツアーも始める予定で、その準備をしているという。
芸能リポーターの梨元勝さんは「病気を乗り越えて活動を続ける姿は共感を得るだろう」と話す。「男性タレントとの破局が週刊誌で取りざたされ、後輩歌手が台頭するなど、スターとして孤独な中で大きなストレスを抱えていたのかもしれない」と読む。
「ただ、なぜ今発表したのか」と首をひねる。「手術や入院をすれば情報が漏れるが、耳の障害ならば隠し続けることもできる。思い切って発表することでスターとしての矜持(きょうじ)を示したのかもしれない」と語った。
突発性内耳障害をはじめとする「突発性難聴」で治療を受ける人は、全国で推定約3万5000人(01年時点)。厚生労働省などが運用する難病情報センターによると、患者は増加傾向にあるが、原因は分かっていない。(1)ウイルス感染(2)耳の奥にある内耳を通る血管のけいれんや出血、血栓などによる循環障害、の2説が有力とされる。通常片側で起こる。
厚労省の調査研究班で主任研究者を務める喜多村健・東京医科歯科大教授は「高血圧や糖尿病など生活習慣病の人に多い。他に、仕事が忙し過ぎたり緊張状態が続いたりしたときに発症するケースもあり、ストレスは誘発要因になる」と解説する。治療法も確立されておらず、「自然に治る場合もあるし、薬を飲んでも治らない場合もある」という。
4年前に突発性難聴になった東京都立川市の主婦小島敦子さん(48)は浜崎さんの症状を自分と重ねて気にしてきた。
小島さんは中学生で耳鳴りが始まり、緩やかに聴力は落ちた。40代半ばに急変。濁流とヘリコプターの騒音が一緒になったような激しい耳鳴りが頭全体に響くようになった。電話やドアの呼び出し音が聞こえなくなった。
右耳はまったく聞こえず、左耳も太鼓の音がわずかに聞こえるものの、言葉は相手の唇の動きで読み取るよりない。いくつもの病院で受診し漢方薬も鍼灸(しんきゅう)も試したが、回復しない。
以前と変わらず話せるので、家族や近所の人には耳が聞こえなくなったと説明しても信じてもらえない。「人に会うのが嫌だった。死にたいと思ったこともあった」。知り合いがいない遠くの店まで行き、言葉を交わさずに買い物をした。
手話講習会で聴覚障害を持つ仲間と知り合ったことが、精神的な支えになった。浜崎さんについても「活動のペースを落としたり、体に負担が少ない選曲にしたりしながら好きな音楽を続けて欲しい」とエールを送る。
ドラマ「はぐれ刑事純情派」の刑事の次女役で知られる女優で歌手の小川範子さん(34)も突発性難聴にかかった。
06年1月中旬、右耳が聞こえにくくなり、車の音やドアの開閉音など一部の音はキーンと大きく響いた。3カ月の通院と投薬で状態は良くなり、以降は「小康状態」が続いているという。
治療の3カ月間、小川さんは病気は公表せず、10日ほど仕事を休んだだけだった。音楽番組への出演など歌手としての仕事もこなした。「片方の耳で工夫して音をとっていた」(事務所幹部)
原因はストレスとみられ、愛犬と過ごすなどくつろぐ時間をなるべくとるようにした。ファンから耳に良いと薦められ、モーツァルトのピアノソナタなども毎晩寝る前に聴いたという。
歌手の浜崎あゆみさん(29)がファン向けの会員制ブログで「左耳は機能しておらず、治療の術(すべ)はないと診断された」と驚きの告白をした。病気を乗り越えて音楽活動を続けていく方針だが、「平成の歌姫」はどんな思いなのか。原因とされる「突発性内耳障害」とは、どんな病気なのか。
「紅白歌合戦」で熱唱する浜崎あゆみさん=昨年12月31日、東京・渋谷のNHKホールで
「実は去年、耳の検査をしてもらったのだけど、左耳はもう完全に機能しておらず、治療の術はないと診断されたんだ」
浜崎さんは4日、会員制のブログでそう告白した。続けて「それでもやっぱり、私はボーカリストであり続けたい。だから、残されたこの右耳がいけるところまで、限界まで、歌い続ける」と宣言した。
会見などは一切なかった。ブログにはファンからの書き込みが殺到。翌日さらに詳しくつづった。その文章と所属するレコード会社エイベックス・エンタテインメントの説明によると、診断は昨年12月ごろ受けた。結果を伝えた医師は「無念そうな申し訳なさそうな」目をしていた。「治す術はない、手遅れだ」と医師から言われて浜崎さんは頭の中が真っ白になったが、それでも陽気に笑ってみせたという。
左耳が聞こえにくくなり、突発性内耳障害と診断されたのは00年夏。治療を受け聴力はある程度回復したが、その後症状が進んだという。
同社は「まったく左耳が聞こえないわけではなく、日常生活にも音楽活動にも支障はない」と強調する。この大みそかにはNHK「紅白歌合戦」に出場した。番組を見た視聴者には音程がずれたと感じた人もいたが、同社は「歌唱に問題はない。受け取り方は人それぞれですから」と説明。4月からはデビュー10周年を記念した全国ツアーも始める予定で、その準備をしているという。
芸能リポーターの梨元勝さんは「病気を乗り越えて活動を続ける姿は共感を得るだろう」と話す。「男性タレントとの破局が週刊誌で取りざたされ、後輩歌手が台頭するなど、スターとして孤独な中で大きなストレスを抱えていたのかもしれない」と読む。
「ただ、なぜ今発表したのか」と首をひねる。「手術や入院をすれば情報が漏れるが、耳の障害ならば隠し続けることもできる。思い切って発表することでスターとしての矜持(きょうじ)を示したのかもしれない」と語った。
突発性内耳障害をはじめとする「突発性難聴」で治療を受ける人は、全国で推定約3万5000人(01年時点)。厚生労働省などが運用する難病情報センターによると、患者は増加傾向にあるが、原因は分かっていない。(1)ウイルス感染(2)耳の奥にある内耳を通る血管のけいれんや出血、血栓などによる循環障害、の2説が有力とされる。通常片側で起こる。
厚労省の調査研究班で主任研究者を務める喜多村健・東京医科歯科大教授は「高血圧や糖尿病など生活習慣病の人に多い。他に、仕事が忙し過ぎたり緊張状態が続いたりしたときに発症するケースもあり、ストレスは誘発要因になる」と解説する。治療法も確立されておらず、「自然に治る場合もあるし、薬を飲んでも治らない場合もある」という。
4年前に突発性難聴になった東京都立川市の主婦小島敦子さん(48)は浜崎さんの症状を自分と重ねて気にしてきた。
小島さんは中学生で耳鳴りが始まり、緩やかに聴力は落ちた。40代半ばに急変。濁流とヘリコプターの騒音が一緒になったような激しい耳鳴りが頭全体に響くようになった。電話やドアの呼び出し音が聞こえなくなった。
右耳はまったく聞こえず、左耳も太鼓の音がわずかに聞こえるものの、言葉は相手の唇の動きで読み取るよりない。いくつもの病院で受診し漢方薬も鍼灸(しんきゅう)も試したが、回復しない。
以前と変わらず話せるので、家族や近所の人には耳が聞こえなくなったと説明しても信じてもらえない。「人に会うのが嫌だった。死にたいと思ったこともあった」。知り合いがいない遠くの店まで行き、言葉を交わさずに買い物をした。
手話講習会で聴覚障害を持つ仲間と知り合ったことが、精神的な支えになった。浜崎さんについても「活動のペースを落としたり、体に負担が少ない選曲にしたりしながら好きな音楽を続けて欲しい」とエールを送る。
ドラマ「はぐれ刑事純情派」の刑事の次女役で知られる女優で歌手の小川範子さん(34)も突発性難聴にかかった。
06年1月中旬、右耳が聞こえにくくなり、車の音やドアの開閉音など一部の音はキーンと大きく響いた。3カ月の通院と投薬で状態は良くなり、以降は「小康状態」が続いているという。
治療の3カ月間、小川さんは病気は公表せず、10日ほど仕事を休んだだけだった。音楽番組への出演など歌手としての仕事もこなした。「片方の耳で工夫して音をとっていた」(事務所幹部)
原因はストレスとみられ、愛犬と過ごすなどくつろぐ時間をなるべくとるようにした。ファンから耳に良いと薦められ、モーツァルトのピアノソナタなども毎晩寝る前に聴いたという。












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