2008年04月07日
急にガラガラ声になった。ホコリ舞うレコード御殿の引っ越しを手伝ったせいか、花粉症か。体もだるい。マスク姿で3時間弱かけて和歌山まで出かけた。新潟・中越高校野球部の春合宿を訪ねる。トガワ部長は昨夏、拙著出版パーティーに京都まで来てくれた。半年ぶりの再会だ。いつものように14年前、甲子園まで同行取材したチームの話になる。控え選手だったW君が先日、脳いっ血で亡くなったと知らされた。そんな。マスクの上から口を覆った。「享年33、って書いてあってねぇ」。先生は遠い目をした。
![]() |
満開の建仁寺の桜 |
![]() |
明治の煙草王が建てた洋館でお茶=いずれも京都市東山区で |
カナダのアキノさんからは1カ月ぶりに連絡があった。「入院する」とのメールに心配していた。手術は予想以上に重く、開腹して卵巣を摘出したという。麻酔から覚めたら尿道カテーテルが体に入っていた。トイレにも行けず、注射の出血でシーツが真っ赤に染まった。それでも4日後には退院し、いまは自宅で療養している。くしゃみも寝返りも傷跡が痛む…。
異国で女1人、職を失うなかでの闘病生活。再手術の可能性もあるという。考えただけでクラクラする。会社を辞めて留学したパリ時代の私は、風邪でもお先真っ暗になったから。ゆっくり療養して。下手な励ましの言葉をつづると「もうなるようにしかならないので、心配しないで」。気丈な言葉が返ってきた。
体調を崩した知人も近ごろ多い。生きているだけで、もうけもののような気がしてきた。出不精になんかなっていられない。祇園の履き物屋の3代目・コーイチさんに「都をどり」の招待券をもらった。コーイチさんの妻マリさんと待ち合わせ、歌舞練場に初めて出かけた。たまには「観光客」しよう。
まずはお茶席へ。勝手知ったるマリさんがすばしっこく動く。「こっち、こっち!」。最前列に滑り込む。舞妓さんが直接、お茶を運んでくれる席という。へぇ。隣の女性はおまんじゅうを食べ終えるなり、皿をかばんに入れていた。「さすが関西人、やるな」と思っていたら、お土産として本当に持って帰っていいらしい。芸妓さんのお点前に抹茶と「とらや」のまんじゅう、特製の団子皿つきで525円はオトクだわ。
のんびり庭を眺めていたら席は埋まってしまい、3階桟敷席の階段に腰かけて見た。女性ばかりだし何だか宝塚みたい。いや「都をどり」のほうが歴史は古いから失礼か。ラインダンス…じゃなかった総踊りを見る。あれ、あの舞妓さん、素人目にもテンポがズレている。それもほほえましい。
円山公園にある長楽館で女3人、お茶をした。京都暮らし20年になる看護士アケミさんが言う。「春になると住んでよかったと思う」。本当に。終わってから豆菓子屋さん、ごま屋さんにも寄った。花より団子そのものみたいだけれど、見上げれば桜が満開だ。うわー、切なくなるほどきれい。グチャグチャした悩みも今は忘れよう。咲いてくれてありがとう。よそさん歴ちょうど1年、やっぱり京都の桜は格別だ。アキノさんにも見せてあげたいなあ。


Recommend to Front page


Comment Permissions: Disable commenting