2009年10月15日23時30分 ソーシャルブックマーク
ヤマハ発動機主催の「大人たちのライダー塾」でスラローム(進路転換)を練習する参加者たち=同社提供
ホンダが発表した新型車「CB1100」。空冷エンジンを積んだクラシックな外観が特徴だ
往年のライダーたち、戻ってきて――。国内販売台数の減少に歯止めがかからない中、二輪車メーカーが青春時代にオートバイに熱中していた中高年への販売に力を入れだした。定年を迎えたり、子育てが一段落したりしてお金や時間に余裕が生まれた人に、「リターンライダー」になってもらおうとの狙いだ。
今月24日から千葉市の幕張メッセで一般公開される東京モーターショー。ホンダは、初めてリターンライダーを主要顧客に想定して開発した二輪車「CB1100」(排気量1100cc)を出展する。空冷エンジンを積んだクラシックな外観で、「バイクに夢中だった若いころを思い出す人が多いはず」(デザイン担当者)。将来、市販する予定だ。
中高年に再び乗ってもらうには、「若いときと比べて鈍った運動神経をどう補助するかが一つの課題」(二輪車首脳)で、各社は工夫を凝らしている。
ホンダが昨年3月に発売した「DN―01」(680cc、税込み123万9千円)は、スクーター以外で約30年ぶりとなる大型二輪車のオートマチック車だ。クラッチ操作を省いて「乗りやすさ」を高めるのが狙いで、08年度の販売台数約700台の顧客のうち1割強がリターンライダーだったという。
川崎重工業が昨年4月に出した「ニンジャ250R」(248cc、同52万8千~54万8千円)もシートを低めにして扱いやすさに配慮。50万円程度の手頃な価格で主に20代を狙ったが、中高年の購入者が予想以上に目立つという。スズキも05年から、ギアチェンジがいらない大型スクーター「スカイウェイブ650LX」(638cc、同109万2千円)を売っている。
二輪車への興味を取り戻してもらおうとの試みもある。ヤマハ発動機は07年から、宮城県村田町のオートレース場で「大人たちのライダー塾」を開催している。免許を持っていても、しばらく乗っていない中高年が主な対象。駐車場での発進や停止、スラローム(進路転換)といった基本操作の実技を講習して、運転感覚を取り戻してもらうものだ。ツーリング体験コースもある。参加者の多くは50~60代の男性という。
二輪車メーカーが往年のライダーの需要を再び盛り上げようとしている背景には、国内販売の長期低迷がある。日本自動車工業会によると、二輪車の国内販売台数は82年の328万5千台をピークに減り続け、08年は52万2千台にまで落ち込んだ。
最近も業界への「逆風」が吹き続けている。06年には二輪車の路上駐車取り締まりを強化する改正道路交通法が施行された。駐車場不足が露呈し、07年の二輪車の駐車違反件数は05年の約5倍となる52万1千件に達し、二輪車離れに拍車をかけた。
排ガス規制強化に対応するため、50cc以下の原付きバイクの販売価格が「2万~3万円高くなった」(二輪車大手)ことや景気低迷も追い打ちをかけ、今年1~8月の販売台数は前年同期より27%減った。このペースだと年40万台を割り込むおそれもある。(小暮哲夫、田中孝文)
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