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2007年12月31日00時40分

 暗殺されたブット元首相が総裁を務めていた野党パキスタン人民党(PPP)は30日、ブット氏の故郷の南部シンド州ラルカナで幹部会議を開き、ブット氏の長男ビラワル氏(19)を総裁に、夫ザルダリ氏(51)を補佐役の共同総裁にそれぞれ選んだ。1月8日予定の総選挙に参加する方針も決定した。



パキスタン南部ラルカナ近郊で28日、ブット元首相の埋葬に立ち会う夫ザルダリ氏(左)と長男ビラワル氏(右)(AP)


パキスタンのテレビ局「ドーンニュース」は29日、ブット氏を囲む群衆の中で銃を構える男(赤線の枠内)の写真を放映した。写真は3枚あり、ブット氏が殺害された27日、アマチュアカメラマンが写していたという=ロイター

 幹部会議は報道陣に非公開で開催され、ブット氏が生前に残した遺言も読み上げられた。ザルダリ氏は会見で、「『私の血は貧しい人々にささげられた。人々の家を訪ね、支持を呼びかけてほしい』などと書かれていた」と明らかにした。遺言は総裁にザルダリ氏を指名していたが、同氏が息子に譲ったという。

 新総裁に選ばれたビラワル氏はブット氏の唯一の息子で、17歳と14歳の妹がいる。オックスフォード大学の現役学生で、母親暗殺の知らせは冬季休暇中のドバイで受けた。政治経験は皆無なうえ、下院の被選挙権は25歳からで選挙に出ることはできない。ブット政権下で閣僚経験もあるザルダリ氏が実質的に党務を仕切るとみられる。

 PPPは67年、ブット氏の父ズルフィカル・アリ・ブット元首相が結成。79年に父が軍事政権に処刑され、長女ブット氏が総裁を引き継いだ。

 主要野党のPPPは総選挙への参加を決めたが、与党パキスタン・イスラム教徒連盟幹部は数カ月延期すべきだとの意向を示した。また、シャリフ元首相の野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派は暗殺事件後に総選挙の不参加を表明したが、同党報道官は30日、「恐らく(総選挙に)参加するだろう」と述べた。1日の幹部会議で最終決定する見込み。

 選挙管理委員会は31日、総選挙を延期するかどうかを決める予定。
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