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2008年01月11日

 ロシア料理と言えば、「ボルシチ」と「ピロシキ」を思い浮かべる方が多いでしょう。特に「ピロシキ」に、子供の頃にさかのぼる懐かしさを感じるのは私だけでしょうか? 関西出身の私には、昭和30年代から40年代にかけて、テレビでよく「ピロシキ」のコマーシャルを目にした記憶があります。アニメ番組の前後に流されるコマーシャルの中に、とても優しいメロディーを耳にしたのを今でも鮮明に記憶しています。ふわふわのパンの中に挽き肉やゆで卵がぎっしりと詰まっていて、一口頬張るとその美味しさがジワーッと口いっぱいに広がり、何とも言えない幸福感を味わったものです。



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サモワール

 「ピロシキ」というと日本では揚げパンの一種と思われる人が多いと思うのですが、ピロシキにはオーブンで焼いたものと油で揚げたものの2種類があります。ロシアではどちらかというと、オーブンで焼いたピロシキを目にする機会が多いようです。

 作り方は、小麦粉にイーストを加えて練ったパン生地を作り、牛や豚のひき肉、魚肉、きのこ、ゆで卵、キャベツやじゃがいもなど季節の野菜を炒めた具を包んで、油で揚げたりオーブンで焼いたりします。中の具は、各家庭で工夫した特製ピロシキが親から子へ、子から孫へと伝わっていきます。できたての熱々のピロシキは、子供たちのおやつになり、食卓の主役にもなります。ピロシキがテーブルにのった風景は、家庭の暖かさそのものを現わしているように思えます。 語源的にはピロシキは、小さなピローグという意味を持ちます。ちなみにピローグとはロシア語のピル(宴、宴会)からきた言葉で、ロシア風パイの総称です。正式な食事のテーブルではザクースカ(前菜)としても出されています。

 ところで、ロシアの人に「飲み物は何を?」と尋ねると、ほとんどの人が「紅茶」と答えることでしょう。ロシア独特の紅茶の飲み方ですが、昔から日常好んで使われるサモワールと呼ばれる、ロシア独特の金属製湯沸かし器で出されるお茶はとても素晴らしいものです。現在は電熱線に取って変わられましたが、昔のサモワールには中央に炭を入れる筒がついていて、いつもシュンシュンとお湯が沸いていました。サモワールの上にポットをのせ、紅茶の葉を多めに入れてお湯を注いでおき、各自のカップに濃い紅茶を入れ、下の蛇口から熱湯を注いで、好みに合わせて薄めます。

 サモワールの傍でお茶を飲みながらピロシキを食べる…ロシアの家庭ではそんな風景が見られるのでしょうか。

街頭には、四季を通じて屋台のピロシキ売りが出ていて、熱々のピロシキを買って、歩きながら頬張ると、ロシアにいるという実感が湧いてくるのです。
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