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2008年01月13日

 イタリア、ミラノで12日、08~09年秋冬ミラノ・メンズコレクションが始まった。15日までの4日間の会期中、約50ブランドのショーと約50ブランドのプレゼンテーションが開かれる。08~09年秋冬シーズンとしては、世界の主要なコレクションの中でも最も開催時期が早い。各ブランドのデザイナーはウィメンズと同一の場合が多く、ウィメンズの傾向も含めて秋冬全体の大きな流れの源流になりそうだ。



ドルチェ&ガッバーナ(08~09年秋冬ミラノメンズコレクション)


バーバリー・プローサム(08~09年秋冬ミラノメンズコレクション)


ヴェルサーチ(08~09年秋冬ミラノメンズコレクション)


ジル・サンダー(08~09年秋冬ミラノメンズコレクション)


ミッソーニ(08~09年秋冬ミラノメンズコレクション)

 冷たい冬の雨に終日見舞われた初日の12日、ドルチェ&ガッバーナのショーは、ほんわかとしたぬくもりを感じさせた。もこもこのムートンのビッグコートや、杖で編んだかのような極太の手編みセーター。脇にラインを入れたスポーツパンツでさえ温かそうなツイードやムートンで仕立てられている。

 色も暖色系の茶が中心。茶色といえば、「おじさん風」のイメージがつきまとうものだが、スポーツやストリートからカジュアルな要素を取り入れて、若々しくアクティブな感覚に仕上げていた。素材はゴージャスなのに、印象はラフでスポーティ。デザイナーの故郷であるシシリー(シチリア)島をテーマに、そこで暮らす農民たちやその服の色彩、匂いを表現したという。前シーズンは電飾パンツなど奇抜なスタイルを発表していたブランド。いつになく自然体のスタイルに心が和む。

 ドルチェ&ガッバーナからはショーの招待状と共に、男性ヌード写真集のようなカレンダーが届いた。被写体は、ミケランジェロの彫刻のような体躯を持つとして注目されているメンズモデル、デイビッド。14日に開くリナシェンテ百貨店内ショップの増床改築パーティで写真がお披露目され、デイビッドのサイン会を開く予定という。

 バーバリー・プローサムもイギリスの田舎を思わせる、温かみのある冬のスタイルを並べた。毛糸のポンポン付きキャップやニット帽を深めにかぶったモデルが、枯れ葉を敷き詰めたランウエイを歩く。細身のラグランスリーブのコートやノーフォークジャケットは、肉厚のツイードやメルトン製。80年代風のぺらぺらサテンのペイズリーシャツとのミスマッチが新鮮だ。

 ヴェルサーチのショーは、米国の人気歌手ビヨンセ待ちのため55分遅れで始まった。スーツやセットアップが中心で、青や紫のグラデーションを微妙な近似配色で組み合わせた。80年代のようなビッグコートには、大きなフードをつけてカジュアル感を加える。

 ラフ・シモンズが手がけるジル・サンダーは、「大理石」がテーマ。極細のウールスーツは大理石の石目のぼつぼつとした質感を出し、Aラインのコートには石の結晶の写真を転写プリントした。(編集委員・高橋牧子、写真は大原広和)
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