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2008年01月29日

 ここ20年ほどでスペインワインは大きく変化しました。スペイン料理も同じです。世界一予約が取れない三つ星と言われる『エル・ブジ』や、2006年に三つ星をゲットした『サンパウ』の本店はスペインにあります。『サンパウ』の東京店は、昨年発売された『ミシュランガイド東京』で二つ星に輝きました。ここは五感を刺激してくれるレストランだと思います。



味わい深いスペイン名物ガスパチョ(2007年9月)


(ミシュランガイドのパーティーのカルメ・ルスカイェーダさん(左から8番目)


前菜の帆立のエスカべッシュ。キューブは1つずつ形成しています


ぷりぷりの赤ワインゼリーと洋梨にバニラスープをかけて


お洒落な料理にスペインワインを合わせて

●スペインワインのトップたちがこぞって利用している『サンパウ』

 スペインの名門トーレス社のミゲル・トーレス社長が来日した時、日本最優秀ソムリエの佐藤陽一ソムリエとの対談を希望していました。その折、会場となったのがサンパウ。また、スペインソムリエ協会会長との意見交換会の場として、また、世界的に注目されているワイン醸造家アルバロ・パラシオスさんのワイン会などでも使われています。来日するスペインの大物が利用するレストランとして定着しています。

●素敵な女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダさん

 スペインの本店で腕を振るうのは女性シェフのカルメ・ルスカイェーダさんです。彼女がつくるセンスの良いモダンなお料理は多くのお客さまを魅了しています。オープンして2年半で一つ星(1990年)を、1996年には二つ星に昇格。そして2006年には最高位の三つ星を獲得しました。

 東京のサンパウに勤務し、スマートな立居振舞いを持ち味にしている森上久生ソムリエは、カルメさんがシェフになるキッカケについて「あまり料理上手ではなかった母親に代わって、家族の食事をつくるようになったから」と教えてくれました。

 昨年11月、東京国際フォーラムで行なわれた『ミシュランガイド東京』の出版パーティーでは、世界各国のそうそうたる三つ星シェフが招待されており、その中にカルメさんの姿もありました。名前を呼ばれたシェフがひとりずつライトを浴びながら登壇していくシーンでは、さっそうとしたカルメさんが印象的でした。

●昨年来からの打ち上げ会で

 現在、昭和女子大学のオープンカレッジで2つのワイン講座を担当しています。昨年暮れに「星付きレストランで打ち上げをしましょう」ということで講座生の皆さんとの話がまとまり、年が明けた1月20日、サンパウで3時間ランチをしました。

 更新して間もない新しい料理メニューは新春らしい彩りで、いつもながらに素敵でした。同店では本店から届けられるメニューに合わせて、同じメニューを再現しています。基本的には3カ月ごとに更新とか。アミューズについてはテーマを決めて、月1回のペースで変わっているそうです。

●料理にフォーカスしてみると

 東京店のエグゼクティブシェフとして活躍しているのがジェローム・キルボフさん。1977年生まれの精鋭でルノートルやフォーションなどで研さんを積み、2004年カルメさんと出会い、2006年から東京店のシェフになりました。セコンドシェフのフラン・サナブリアさんと共に東京店の顔としてお客さまに素晴らしいお料理を提供しています。

 ランチでいただいたすべてのお料理画像を掲載したい気分なのですが、ここではそうも行かないので、2つだけご紹介します。

 前菜の『ホタテのエスカべッシュ』は宝石箱に見立てた作品で、アカザ海老から取ったダシを使い、ホタテとゼラチンからキューブゼラチンを作っています。ブラックオリーブのエスプーマとシェリービネガーのアイスクリームを箱に詰め、バジリコソースを添えた一品。これらのキューブは1つずつ作成しており、容器もスペインから取り寄せているとのお話でした。

 デザートの『洋梨のピューレを包んだ赤ワインゼリー』はぷりぷりの赤ワインゼリーがチャーミング。ゼリーの上にあるのはレモンの果皮です。水飴と牛乳で仕上げたバニラスープをかけて食べるのですが、食感は最高。モスカテル種からできた甘口ワインと良い相性を示していました。

 当日は森上ソムリエの選んだスペインワインを楽しみながら、参加者一同、五感を刺激することができました。変化したスペインの今を感じることができるレストラン『サンパウ』、お薦めです!

【お薦めワイン】


▽カバ

パルチェット・ブリュット・レゼルバ
▽白ワイン

ネロラ2003
▽赤ワイン

ロダ・レゼルバ2002
▽デザートワイン

MR2003(テルモ・ロドリゲス)
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