close

2009年4月29日                                         教える人・土井信子

 お弁当にこれが入ればにっこり。そんな卵焼きですが、「焦げてきれいにできない」と読者の悩みも多いのです。

 「よくなじんだ鍋を使っていますか」と家庭料理研究家の土井信子さん。60年も愛用する銅の卵焼き鍋を用意して腕まくり。「大阪では卵焼きといえばだし巻きやね」

 だしも入るだし巻き卵は、ふんわり仕上げたいもの。とはいえ、だしの割合を多くすると巻きにくい。「卵を割って分量を量り、その4分の1のだしを入れてみて。家庭で焼きやすい割合よ」。土井さんが何度も試した結果です。

 鍋を火にかけたら、ガーゼにたっぷり含ませた油を隅々までひいてなじませるのがコツ。火加減は中火より強めに。「弱火だとかえって焦げつきます」。卵液を入れたとき、ジュワンと音がするぐらいがいい温度です。

 薄く流し入れた卵液が半熟ぐらいになったら巻いていきます。なべを手前へ45度傾けるようにして持ち上げ、軽く勢いをつけてさいばしで卵をくるっと回転させます。なんてリズミカル! 「手前へ巻くのは大阪流。向こう側へ巻くのが関東流だそうですね」

 油をひき、卵液を流し、巻く。これをテンポよく繰り返します。フライパンでも要領は同じ。焼けたら、巻き簀(す)を鍋にかぶせてひっくり返し、巻きつけて形を整える。上品な黄色が光ります。

 関東では、だしを入れない卵焼きが一般的。砂糖としょうゆで味つけします。

 「お弁当やふだんのおかずにするときは、具を入れるのがおすすめ」。ミツバや青ネギ、ニラ、シソ、トマト、ゆでたホウレンソウや枝豆を入れると彩りもよくなります。う巻きもウナギを細かく切って混ぜて焼けば手軽です。

◇栄養ワンポイント

 卵はビタミンCを除く様々な栄養素をバランスよく含む。なかでも卵黄は血管の若さを保つレシチンやビタミンEが豊か。良質のたんぱく質源だ。

 献立例=ピースご飯、セリとシイタケのみそ汁、チンゲンサイとニンジンと厚揚げのいため煮、ウドとキュウリの酢の物

 

 

レシピ

1人前177キロカロリー、塩分2.2グラム

【材料】(2人前)

 卵Mサイズ4個、かつお昆布だし60cc程度、みりん小さじ1、薄口しょうゆ小さじ1、塩小さじ3分の1、サラダ油少々、大根おろし適宜、ミツバ適宜

(1)卵を軽く溶きほぐす。だしにみりん、薄口しょうゆ、塩を加えて味をつけ、溶き卵と混ぜあわせる。だしの量は卵の分量の4分の1が目安。ガーゼをサラダ油にひたしておく。

(2)鍋を中火にかけ、よく熱したら、ガーゼでサラダ油を全体に薄く塗り、なじませる。卵液を玉じゃくしですくって薄く流し入れてなべ全体に広げる。卵の表面がプクプクと泡立って膨らんできたら、さいばしで突いて空気を抜く。

(3)半熟程度に火を通し、卵を鍋の向こう側から手前に巻いてくる。鍋のあいたところに再び油をひく。巻いた卵を向こう側に動かし、手前にも油を塗る。

(4)再び手前に卵液を流し入れ、巻いた卵の下にもさいばしを差し込んで卵液を流し込む。最初と同様に卵に火を通し、向こう側から手前へ巻き重ねていく。卵液がなくなるまで5回ほど繰り返す。

(5)焼き上がったら、巻き簀に取り出して軽く巻き、しばらく置くときれいな形になる。

(6)2.5センチぐらいの幅に切り、器に盛る。ミツバと大根おろしを添え、しょうゆ(分量外)をかける。

arrow
arrow
    全站熱搜

    rjivoe 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()