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北洋銀行(札幌市)のキャッシュカードが偽造され、計1億円以上が不正に引き出された事件で、偽造カードを使って現金自動出入機(ATM)から現金を引き出した男が、昨年末ごろに同様の被害に遭った中国銀行(岡山市)や群馬銀行(前橋市)の事件の引き出し役と同じ人物とみられることが、警視庁などによる防犯ビデオの解析で分かった。同庁などは、3行の事件とも同一グループによる犯行との見方を強めている。



銀行カード偽造事件の関係場所

 北洋銀の事件は、10月中~下旬に186口座分の偽造カードによる引き出しが集中的にあり、被害総額は1億4100万円にのぼった。大半は都内のコンビニエンスストア内や金融機関のATMが利用された。捜査3課が店の防犯ビデオを調べたところ、複数のATMで、帽子やマスクをした男が引き出す姿が映っていた。

 一方、中国銀と群馬銀の偽造カード事件は昨年11月~今年3月に相次いだ。中国銀は十数人が計2000万円以上を引き出され、群馬銀では4口座から引き出しが図られたが、口座が解約済みだったなどの理由で被害はなかった。

 両行の事件では、いずれも都内東部のコンビニATMを中心に偽造カードが使用され、両行分とも防犯ビデオに同じ男が映っていた。警視庁がこれらの映像と北洋銀の事件の映像を比較したところ、背格好などの特徴から同一人物の可能性が高いことが判明した。同庁は男の割り出しを急いでいる。

 中国銀と群馬銀の事件では、「おれ、おれ」と名乗って「宝くじに当たったので金を振り込みたい」などと電話して、口座番号や暗証番号を被害者側から聞き出しており、そうした情報からカードが偽造されたとみられる。

 北洋銀の顧客にも06年春ごろ、同様の電話が相次ぎ、数件の被害があったが、今回の被害者の大半は、特定の企業との間に出入金があった顧客で、その全員が生年月日か電話番号を暗証番号にしていた。このため、犯行グループは、生年月日などを含む顧客の個人情報を得たうえで、電話で残高照会などができる銀行のサービスを悪用して、暗証番号を確認したとみられている。

 グループは、情報の入手手段を変えながら、カードを偽造。銀行のカードは口座番号や暗証番号だけでは偽造できないようデータが暗号化されているが、警視庁は、3行の場合、この暗号が解析されたとみている。

     ◇

 〈偽造キャッシュカード事件〉 スキマーと呼ばれる装置でキャッシュカードの磁気情報を読み取る「スキミング」による偽造が00年ごろから頻発。05年にはUFJ(現・三菱東京UFJ)銀行などのATMにカメラを仕掛け、暗証番号などを盗撮し、カードの現物を入手せずに偽造する手口が現れた。各金融機関はカードの情報の暗号部分を増やし、カード自体をIC化するなどの対策をとった。
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