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2008年02月27日

 今回のグラタンは、カスレをアレンジしました。カスレは、豚肉、鴨(かも)のコンフィ、ソーセージと共に白インゲン豆を煮込む、仏ラングドック地方の伝統的な料理。使う肉は足や皮、すねといったそのままでは食べにくい部位です。1頭を余すところなく上手に食べ尽くす狩猟民族の発想を感じます。こうした部位にはゼラチン質が多く含まれ、このゼラチンのおかげで豆がしっとりと仕上がります。



豚肉と大豆の煮込みグラタン 撮影・越田悟全

 日本の家庭なら、以前にも紹介した塩漬けの豚肉、プティ・サレを使うとよいと思います。肉の重さに対して塩2%、砂糖1%、コショウ0.2%を合わせて肉にすり込み、保存袋に入れ重しをして冷蔵庫で1週間寝かせます。

 先日、思いついて白インゲンを大豆に変えてみました。すると大豆には油分が多いせいか、皮も残らずしっとりフワフワ、煮汁のうまみもぐっと吸ってくれていて、上出来に。日本人の味覚にも合うのではないでしょうか。実は、なつかしのテレビドラマ「ローハイド」に出てくるポークビーンズがヒントなんです。

 大豆は一晩水に漬け、水を換えて火にかけ、ゆでこぼします。あく抜きのためですから、ここで豆をゆであげる必要はありません。豚肉はたっぷりの水でくしがスッと通る固さまでゆでます。この豚肉のゆで汁が大事。2リットル残る程度に調整してください。

 別の鍋でタマネギとニンニクをバターでしんなりするまでいため、豚のゆで汁と大豆を加え、煮汁が残る状態を保つよう中火で煮ます。煮上がったら耐熱容器に豚肉と豆を交互に並べ、オーブンへ。よい色がつくまで焼いてください。

(「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフ)



レシピ
【材料】(4人前)

プティ・サレ(塩豚)のかたまり500グラム、大豆250グラム、タマネギ300グラム、ニンニク3片、バター30グラム、トマトペースト15グラム

(1)大豆は1晩水に漬け、水からゆでて、ゆでこぼしてあくを抜き、ざるにあげる。

(2)塩豚をたっぷりの水に入れて火にかけ、くしがスッと通るようになるまでゆでる。

(3)タマネギは薄切りにして1センチ幅に切る。ニンニクをみじん切りに。別の鍋にバターを入れ火にかけ、タマネギとニンニクをしんなりするまでいためる。トマトペーストを加えて混ぜる。

(4)(3)の鍋に(2)のゆで汁1リットルと大豆を加え、ぐらぐらしない中火で煮る。

(5)途中で煮汁がなくなったら足し、大豆がやわらかくなったら火からおろす。煮終わった時に汁が残った状態にしておく。

(6)塩豚を鍋から取り出して5ミリの薄切りにする。

(7)耐熱の器か鍋に、塩豚を並べ上に大豆、再び塩豚、大豆と重ねる。

(8)170度に熱したオーブンに入れ、焼き色がつくまで20分以上焼く。

〈プティ・サレ〉豚バラ肉1キロ、塩20グラム、砂糖10グラム、コショウ2グラム

(1)調味料をすべて合わせ、肉にまんべんなくすり込む。保存袋に入れ、重しをのせ、冷蔵庫で1週間ねかせる。

(2)1週間後、肉を流水に約15分さらし塩を抜く。
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