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2008年02月28日

 08年秋冬パリコレクションで、老舗や注目ブランドのデザイナー交代が相次いでいる。24日はロンドンコレクションの人気ブランド、イーリー・キシモトに代わったキャシャレルが新作を発表した。25日は今最も期待されているデザイナーのひとりジャンバティスタ・ヴァリによるモンクレール、26日は34歳の英国人スチュアート・リヴァースによるロエベが初作品をお披露目した。



ドリス・ヴァン・ノッテン(08~09年秋冬パリコレクション)


エマニュエル・ウンガロ(08~09年秋冬パリコレクション)


ジバンシィ(08~09年秋冬パリコレクション)

 最近はデザイナーが交代しても、思うように成果が上がらなかったり、経営陣やデザインチームと方向が合わなくなったりするとすぐに契約解消に至るケースが多い。今回の動きは、世界的に経済不安が増す中で、今後の厳しい局面を回避するための一策と見られる。

 27日は、パリのオートクチュールメゾンであるエマニュエル・ウンガロが、弱冠23歳のエステバン・コータザーを起用して、ぐっと若返った。なにしろお堅いテーラードジャケットなどはひとつもない。カジュアルなジャージーをねじったドレスやパーカ。ゆったりとしたカーディガンはひじからパフがふくらみ、背中からオートクチュールのアトリエならではのきれいなドレープが流れる。色は、ごく淡いブルーグレーやバニラ。前任のピーター・デュンダスのような派手さはないが、気負いのないナチュラルな作風には時代の気分が感じられる。とはいえ、ここまで肩の力を抜いた自然体の服に対して、顧客の年配層がどう反応し、それにブランドがどう対応していくかが注目される。

 今シーズンは、自分の過去の作品や得意技を改めて見直して、洗練させて見せるブランドが多い。

 プリント柄に定評のあるドリス・ヴァン・ノッテンは、万華鏡のようにロマンチックなプリントを並べて、力量を見せた。水に絵の具を溶いたような柄や小さな幾何柄、ポピーや小花、スカーフ柄・・・・微妙な陰影のある多彩な柄を、ちょうど良い具合の量感と繊細なディテールでバランス良くデザインする。ちょうちん袖のふくらはぎ丈のゆったりドレスが心地よさそう。 華やかさとリラックス感を両立させた服は、女性たちがいま実際に着たい服として魅力的に映るのだろう。バイヤーやジャーナリストの中には、現時点での今シーズンのベストワンに挙げる声がいくつかあった。

 一方、ジバンシィはこれまでのダークなゴシックテーストをやや抑えた。代わりにロマンチックな淡い色や凝ったディテールを加えて、完成度の高いコレクションを見せた。アクセサリーのようにフリルやプリーツを重ねていく。胸のフリルの間には、さりげなく共布のバラを咲かせてみせた。(編集委員・高橋牧子、写真は大原広和氏撮影)
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