2009年6月24日 教える人・高城順子
チャーハン 撮影・大山克巳
忙しくても、料理が苦手でも作れる、お助けメニューがチャーハン。ネギや卵が、まんべんなく混ざってこそおいしいひと皿は、「ご飯がパラリとしない」のが、皆さんの悩みです。料理研究家の高城順子さん、どうすれば「パラリ」と仕上がりますか?
「油をしっかり使ってご飯の一粒一粒に回し、強火で炒(いた)め、水分を飛ばすこと。今回は卵の力も借りましょう」
チャーハンは、いり卵を作って後からご飯に合わせる作り方と、溶き卵をご飯にまぶして炒める方法があります。
高城さんの提案は、その中間です。熱した油に卵を入れて、ブクブクと沸いたらひと混ぜし、固まり切らないうちにご飯を加えます。混ぜればご飯がするりとほぐれ、卵のふわっとした形も残ります。
「卵が油を抱き込んだ状態なので、油が一部に偏らず、自然と行き渡るんですよ」
コツはほかにもあります。一度に作る量は2人前程度にとどめると、家庭の火力でも無理なく水分が飛ばせます。
また、最近の米はコシヒカリなど粘りの強い品種が大半です。ほぐれやすいように、熱いご飯は炊飯器から出して粗熱と蒸気を少し飛ばしてから使います。逆に冷たいご飯は、フライパンの温度を下げるので、人肌に温めます。
慣れない人は、ハムやゆでタケノコなど水気が少なく、火が通っている具を選びましょう。自信がついたら、ピーマンの角切りなど生の野菜を加えてもいいですね。
終始、強火ですから、焦がさないよう手を休めず、混ぜながらフライパンを振ります。腕力がない人、IH調理器を使っている人も、ご心配なく。ヘラを2本使い、左右から持ち上げるように混ぜれば、振る代わりになります。
◇栄養ワンポイント
外食のチャーハンは一般的にご飯の量が多く、カロリーも高くなりがちだが、家庭で作れば調節がきく。減量中の人はご飯を減らして具を増やせば、栄養素のバランスがとりやすい。
献立例=チンゲン菜と豆腐のスープ、ニンジン・キュウリ・キャベツの甘酢あえ、サクランボ(管理栄養士・宗像伸子)
レシピ
1人前556キロカロリー、塩分2.9グラム
【材料】(2人前) ご飯400グラム(茶わん3杯程度)、卵1個、焼き豚70グラム、長ネギ半本(約50グラム)、サラダ油大さじ2、塩小さじ3分の1、鶏ガラスープのもと小さじ半分、コショウ少々、しょうゆ小さじ1
(1)ご飯をボウルやバットにとり、人肌程度に冷ます。冷やご飯なら電子レンジで軽く温める。
(2)焼き豚を7ミリ角のさいの目に、長ネギを小口切りにする。
(3)卵をほぐし、塩少々(分量外)を加え混ぜる。
(4)フライパンを強火にかけて熱し、サラダ油を入れる。油の表面がゆらりと泳ぐまで十分に熱し、卵を一気に流し入れる。周りに火が通って膨れたら、フライ返しでさっと混ぜ、半熟状のところへご飯を入れる。
(5)フライ返しでご飯に卵を切り込むように手早く混ぜ、フライパンを前後に振りながら炒める。フライ返しやヘラを2本使い、持ち上げるように混ぜてもいい。
(6)焼き豚、長ネギを加えて炒め、鶏ガラスープのもと、塩、コショウを入れて味を調える。最後にしょうゆを鍋肌から回し入れ、さっと炒め合わせる。
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