2009年7月17日10時41分                                      ソーシャルブックマーク

写真:霧が涼しげな「河童の泉」(©水木プロ協力)霧が涼しげな「河童の泉」(©水木プロ協力)

写真:なめるとしょっぱい「海潮園」の岩風呂=米子市なめるとしょっぱい「海潮園」の岩風呂=米子市

地図:【所在地】米子市皆生温泉【交通】車で、米子空港から約20分、米子道米子インターから約10分。最寄りの米子駅からバスで約20分。【泉質】塩化物泉【所在地】米子市皆生温泉【交通】車で、米子空港から約20分、米子道米子インターから約10分。最寄りの米子駅からバスで約20分。【泉質】塩化物泉

 ぬるりと首を伸ばす「ろくろくび」の隣で、身体中に目がある「百目(ひゃくめ)」がギロリと睨(にら)む。鳥取県境港市は漫画「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる水木しげるさんの故郷。中心街にある「水木しげるロード」の両側では、134体の妖怪ブロンズ像が待ち受ける。リアルだけどおちゃめ、かわいいけどやっぱり怖い、これぞ水木妖怪ワールドだ。

 「ここはゲゲゲの森」――。静かで妖(あや)しい声音とともに、ドロドロドロドンと鳴り響く太鼓の音色。「河童(かっぱ)の泉」で泳ぐねずみ男が聞き耳を立てる中、毎週日曜に開かれる紙芝居でカラス天狗(てんぐ)と戦う鬼太郎を、小さな子どもが固唾(かたず)をのんで見守る。

 「私も2人の子どもも、鬼太郎が大好き。登場人物が多いので声音を工夫しています」。そう話すのはボランティアで紙芝居を読む森脇陽子さん(31)。「鬼太郎対カラス天狗」を臨場感たっぷりに表現する。甲高い目玉おやじの声、カラス天狗の低い声、そして髪の毛針で戦う鬼太郎の活躍も、森脇さんの声とともに迫力を増してゆく。

 JR境港駅から、「鬼太郎列車」に描かれた妖怪をお供に皆生(かいけ)温泉へ向かう。「海潮園」の岩風呂は、作家の野坂昭如さんがこよなく愛する湯とか。女将(おかみ)の富田聡子さんは「霊峰・大山から運んだ岩のせいか、この岩風呂に浸(つ)かると閃(ひらめ)くものがあると野坂さんは話していました」。

 湯上がりに旨(うま)い魚と地酒で一杯。人間界の極楽を、妖怪もうらやましく眺めているに違いない。

(文・角田麻子)

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●皆生温泉 1900年、地元の漁師が海中にわいているのを発見したのが始まりとされる。約30軒の宿泊施設があり、25カ所で日帰り入浴も可。

▼鬼太郎ちびっこ広場 7月24日(金)~8月23日(日)、午後8時、皆生温泉海水浴場。鬼太郎とねずみ男が登場して記念撮影や握手ができるほか、紙芝居やミニ打ち上げ花火を行う。問い合わせは皆生温泉旅館組合(0859・34・2888)。

●水木しげる記念館 妖怪研究家でもある漫画家・水木さんの軌跡を紹介。水木さんが各国を旅して集めた妖怪のお面や人形の展示も。700円、中高生500円、小学生300円。午前9時半~午後5時。無休。問い合わせは0859・42・2171。

●「大山る~ぷバス」が運行 7月18日~11月8日までの(土)(日)(祝)(7月25日~8月23日、10月31日以降は毎日)。米子駅を出発して国立公園の大山周辺をめぐる。1日6便。1日券1000円。問い合わせは県西部総合事務所(0859・31・9629)。

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(2009年7月14日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください

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