2009年10月16日16時33分
クリエイティブ・ディレクターのデボラ・ロイドさん
一押しの水玉バッグ
パーティーシューズ
パーティーバッグ(右)はシューズとおそろいになる
リニューアルオープンした店内
フィッティングルーム
ポップなデザインと使いやすさを兼ね備えたバッグや靴で知られるケイト・スペード・ニューヨークが16日、東京港区南青山に旗艦店をリニューアルオープンした。これに合わせてクリエーティブ・デザイナー兼共同社長として指揮を執るデボラ・ロイドが来日した。ウイットに富んだデザインの源や、新コンセプトに基づく青山店の魅力などについて聞いた。(アサヒ・コム編集部 文・柏木友紀、写真・高山顕治)
店内でまず目を引くのが、エントランス部分に張り巡らせた鮮やかな黄色やピンクなどのテープによる装飾。テキサス州在住の若手アーティスト、レベッカ・ウォードが手がけた空間だ。入り口のここをギャラリースペースと位置付け、若手芸術家による作品をディスプレーして、彼らをサポートしていくという。
店全体を貫くのは、居住空間というコンセプト。「玄関に食堂、ソファエリアに寝室といった、実際のアパートメントそっくりに構成しました」とロイドは説明する。店内には、アンティーク風のライティングディスクやワードロープ風の陳列棚などがディスプレーされ、自宅で服を選ぶ時のように落ち着いてショッピングができる。
今回コレクションから、バッグなどの小物だけでなく、服もコートからドレスまでフルコレクションで展開し始めた。コンセプトは、どこかに驚きやウイットを盛り込むこと。小花模様のワンピースかと思いきや、よくよく見ると、タバコと唇の柄だったり、無地のバッグを開くと、内側に真っ赤なシマウマ柄のライニングがしてあったり。
「私自身のラッキーモチーフでもあるフクロウも、今回ワンピースやセーターなどに採り入れてみたんですよ。以前から、各店舗のどこかには必ずフクロウの置物を忍ばせるほど、大好きなんです」
リボンや水玉、動物といった、女性が好きなモチーフをふんだんに取り入れ、カラフルなデザインには定評がある。イメージしているのは、知的で可愛らしく、何か他人とは違うものを求めている女性。次から次へと気に入ったものを求め、移り気で気まぐれな女性の楽しさを表現するのが自身のブランドという。
普段から美術館や古美術店、古書店を歩いてアイデアを収集しているが、中でもフリーマーケットは重要なアイデアの源になっている。母親がアンティーク宝石商だったこともあり、出身地のロンドンでは幼いころからマーケットを共に歩いた。
「5歳の時にはキルトスカートを自分でアレンジしてバラ柄のパッチワークを施すなど、元々デザインにはとても興味があったみたい」
ケンゾーやビブロス、バーバリーなどを経て現職。イギリスをはじめフランス、イタリアなど各地での経験が、そのクリエーティブ性を高めた。イギリス人女性は古いモノや他地域の文化などのミックスが上手。パリジェンヌは一点豪華主義だし、ミラネーゼはトレンドを追うのがうまいと見る。では、NYは?
「ファッションで自分をストレートに表現するのが得意。現実的でウエアラブルなデザインを好み、はっきりした色も恐れずに着こなしますね」。現在は夫とNYのブルックリン地区に住み、週末は郊外のセカンドハウスでガーデニングに励む日々。英国風庭園の花々から、色のアイデアを得るのだという。
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