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2009年7月29日                                                  教える人・浜田ひろみ

写真カボチャの煮物 撮影・大山克巳

 大鉢にたっぷり盛ったカボチャの煮物。いつの時代も忘れたくない、素朴なおかずです。今回は、ホクホクして甘みの強い西洋カボチャと、ねっとり軟らかで淡泊な味わいの日本カボチャ、個性を生かした煮物を2品紹介します。

 日本に先に渡来したのは日本カボチャ。16世紀から各地で独特の品種を生みました。西洋カボチャは幕末に入ってきました。クリのような食感が現代は好まれ、「えびす」「みやこ」などの品種が市場の大半を占めます。「田舎煮」は、しょうゆと砂糖だけで味付けます。

 カボチャは硬くて切るのが苦手とは思っていませんか。「ぐらぐらしないように置いて切れば、怖くありません」と料理研究家の浜田ひろみさん。4分の1個のまま、水玉模様に皮を削ります。次はまず横に二つ切り。さらにひと口大に、大きさをそろえて切り分けます。

 読者の皆さんから「煮くずれる」「水っぽい」とお悩みが寄せられました。煮方、煮汁の量と関係がありそうです。

 浜田さんは鍋底の広い炒(いた)め鍋に、火が通りにくい皮を下にしてひと並べにしました。調味料と水を加えた煮汁は鍋底が隠れる程度です。「全体に味がつくかな」と心配しないで。火が通ったら汁を煮詰めて煮転がしの要領でからめます。表面は甘辛の濃い味、中はカボチャの持ち味そのまま。このバランスがいい。残した煮汁は自然にしみこみ、ほどよくしっとりします。

 日本カボチャは、だしを利かせた「含め煮」に。煮くずれしにくいので、コトコト煮て、うまみをじっくり含ませます。汁ごと冷やす冷やし鉢は夏らしい和食。半分は翌日に残しておけば、味がさらにしみて格別です。

◇栄養ワンポイント

 カボチャはカロテン、ビタミンCとE、食物繊維を多く含む。西洋カボチャは日本のものよりカロテン5倍、ビタミンC、Eは3倍だが、カロリーも2倍なので食べ過ぎに注意を。

 献立例=小アジの南蛮漬け、冷やしモロヘイヤのすまし汁、ナスとキュウリのショウガあえ、ごはん(管理栄養士・宗像伸子)

レシピ

■カボチャの田舎煮

1人前134キロカロリー、塩分1.6グラム

【材料】(3人前)

 えびすカボチャ4分の1個(400グラム)、三温糖または砂糖大さじ2、しょうゆ大さじ2弱

(1)カボチャはスプーンでわたと種を取り、皮をところどころ削る。横半分に切ってから縦三つに切り、さらにひと口大に切る。

(2)炒め鍋にカボチャの皮を下にして並べ、三温糖を均等にふる。しょうゆと水半カップを回しかける。

(3)強火にかけ、煮立ったらふたをし、中火弱で7~8分煮る。竹串がすっと通ったら、ふたを取って強火に。時々鍋をゆすりながら煮詰める。2~3回鍋返しをし、煮汁を少量残して火を止める。

■黒皮カボチャの含め煮冷やし鉢

1人前114キロカロリー、塩分1.8グラム

【材料】(3人前)

 黒皮カボチャ1個(500グラム)、だし(水2.5カップ、昆布4×5センチ3枚、削りカツオ2カップ強)、A(酒、みりん各大さじ1.5、砂糖大さじ1.5弱)しょうゆ大さじ2弱

(1)カボチャは表面の凸凹の凸の部分に縦に包丁を入れ、くし形に切り分ける。種とわたを取り、横二つに切り、ところどころ皮を削る。

(2)炒め鍋に入れてひたひたにだしを張る。Aの調味料としょうゆの半量を加えて強火で煮立てる。

(3)あくをすくい取ってふたをし、煮立つ程度の弱火で14~15分煮る。竹串が通れば残りのしょうゆを加え、強火で2~3分煮る。煮汁に浸したまま冷水であら熱を取り、冷蔵庫で冷やし味を含める。

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